新人看護師が押さえておくべき!NSAIDsとアセトアミノフェンの違い

アセトアミノフェンとNSAIDsの違いについての記事のアイキャッチ
新人看護師

最近アセトアミノフェンとかNSAIDsとか鎮痛解熱剤のことがニュースで話題になることがあるけど、実際何がどう違うんだっけ?
作用機序とか副作用も違いとか、正直いまいちわかっていなかったかも。
誰かわかりやすく教えて〜

こんにちは、ひるね(@hirunenurse)です。
最近コロナワクチン関連のニュースで鎮痛解熱剤が話題になっていますね。
アセトアミノフェンやNSAIDsってなんとなーく看護学校でも習うけど
使い分けに関して深くは勉強してきませんでした。
でも実際に臨床に出るとロキソニンとかアセリオとか使う機会は多いです。

今回は新人看護師さんが抑えておくべきアセトアミノフェンとNSAIDsの色々についてまとめようと思います!

この記事の内容

・痛みの発生機序について解説
・NSAIDsの作用と副作用について解説
・アセトアミノフェンの作用と副作用について解説

目次

そもそも痛みの発生機序ってどうなってるの?|大まかに説明

痛みの発生機序

痛みの大まかな発生機序は以下の通り。

痛みは、刺激によりアラキドン酸からプロスタグランジン(PG)が産生されることで生じます。PGはブラジキニン※という発痛物質の感受性を高める作用があります。
PG生成にはCOX(シクロオキシゲナーゼ)という酵素が関与しています。COXには1と2があり、1はほとんどの細胞に存在、2は炎症にかかわる細胞に存在します。

ブラジキニン|発痛物質であり、末梢の侵害受容器を刺激し疼痛を発生させる。

NSAIDsとアセトアミノフェンの作用の違いって?

では実際にNSAIDsアセトアミノフェンではどのような違いがあるのでしょうか。

アセトアミノフェンとNSAIDsの作用機序の違い

NSAIDsにはCOXを阻害する効果があります。
COXを阻害することでプロスタグランジンの生成を防ぎ、痛みや熱の発生を緩和します。

一方でアセトアミノフェン中枢神経系に作用しプロスタグランジンの生成を阻害します。

詳しく見ていきましょう!

NSAIDsとは

NSAIDsとは非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害作用を有し抗炎症薬、抗血小板薬としてだけでなく解熱鎮痛薬としても多用されています。

NSAIDsにはCOX−1・2どちらも阻害する非選択的阻害薬とCOX-2選択阻害薬に分かれており
非選択的阻害薬よりもCOX-2選択阻害薬の方が副作用が軽いとされています。

非選択的阻害薬
COX-2選択阻害薬
  • アスピリン
  • ロキソプロフェン
  • イブプロフェン
  • プラノプロフェン
  • ナプロキセン
  • メフェナム酸
  • ジクロフェナム
  • フルルビプロフェン  など
  • セレコキシブ
  • メロキシカム
  • エトドラク
  • ロルノキシカム   など

COX−1とCOXー2の違い

COXの違い

COX-1は全身の細胞に存在し、身体の恒常性の維持に関与しています。
そのためCOX-1を阻害すると胃粘液の減量、腎血流量の減量などが生じます。

COX-2は炎症部位にのみ存在し痛みを増強させてます。
恒常性に関与していない分、COX-2阻害薬の方が消化性潰瘍や腎障害が生じにくいという特徴があります。

NSAIDsの副作用や禁忌は?|胃潰瘍や腎障害など

プロスタグランジンは胃粘膜の分泌や気管支の拡張、血管の拡張などにも関与しているため以下のような副作用があります。

NSAIDsの副作用
NSAIDsの副作用

・腎障害
・消化性潰瘍
・アスピリン喘息
・ライ症候群

NSAIDsの禁忌

・小児(一部使用可能。上気道感染への使用は禁)
・妊婦

❶腎障害

PGには腎血管拡張能がありますが、NSAIDsによりPG産生が阻害されてしまうため腎血管収縮能が優位となります。これにより腎血流量が減少し腎機能が悪化します。

腎機能が元より悪い患者や悪化が予測される高齢者には注意が必要です。

❷消化性潰瘍

COX−1を阻害することで胃粘液量が減少、粘膜保護能が低下するため胃潰瘍が発生することがあります。
特に長期服用患者に発生しやすいとされています。

予防のためPG製剤やプロトンポンプ阻害薬を服用することがあります。

❸アスピリン喘息

アスピリン喘息とは、NSAIDs服用に伴って生じる喘息のことです。
NSAIDsを服用することでPG産生が減少した分、ロイコトリエン*産生経路に傾くことでシステイニルロイコトリエンが過剰生産され気管収縮が強まり喘息をきたします。

アスピリン喘息の特徴

・NSAIDs服用後1時間ほどで症状出現
・体内からNSAIDsが消失すると症状が治る
・鼻詰まりや鼻水から始まり、咳、呼吸困難などの呼吸器症状のほか、嘔気や腹痛などの腹部症状をきたすことがある

ロイコトリエン(LT)|生理活性物質の一つで好中球の走化性を活性化するなど炎症反応において重要な役割をきたす。中でもLTC4、LTD4、LTE4はシステイニルロイコトリエンと呼ばれ気管支平滑筋収縮作用を持つ。

❹ライ症候群

ライ症候群とは脂肪肝を合併する急性脳症のことです。

小児のウイルス感染時にNSAIDsを服用することで発症リスクが上がるとされています。
そのため小児の上気道感染時にはNSAIDsの服用は禁忌とされています。

❺胎児毒性

NSAIDsには胎児毒性があります。

はっきりした原因は不明ですが、羊水の減少や胎児の動脈管の早期閉鎖などに関与することがあるためNSAIDsは妊婦への使用は禁忌となっています。

アセトアミノフェンとは

アセトアミノフェンは中枢神経系に作用し解熱・鎮痛作用をもたらします。

アセトアミノフェン 作用機序

副作用が比較的少なく妊婦や小児でも使えるのが利点です。
ただし抗炎症作用はほとんどありません。

アセトアミノフェンの副作用

アセトアミノフェンの副作用

アセトアミノフェンは肝臓で代謝されるため、過剰投与すると肝障害を生じることがあります。

元々肝機能が悪い患者や、大量かつ常習的な飲酒歴がある患者、低栄養状態の患者への投与は注意しましょう。
一方で妊婦や小児への投与も可能です。

病棟でよく使用されるアセリオはアセトアミノフェンの体内濃度の観点から、15分程度で投与することを推奨されています。ただし患者の体重やアセリオの量にもよるので必ず医師に確認しましょう。

作用の違いまとめ!

NSAIDsとアセトアミノフェンの違いは以下の通りです。

NSAIDs
アセトアミノフェン
  • COXを阻害し痛み発生の元であるPG産生を阻害
  • 非選択的阻害薬とCOXー2阻害薬がある
  • 非選択的阻害薬の方が副作用が強い
  • 主な副作用は消化性潰瘍、腎障害、ライ症候群、アスピリン喘息など
  • 妊婦や上気道感染の小児には使用禁忌
  • 中枢神経系に作用し解熱鎮痛作用をきたす
  • 肝臓で代謝されるため肝障害のリスクあり
  • 妊婦や小児でも使用可能
  • 比較的副作用は少なめ
  • 抗炎症作用はほとんどなし

今回はアセトアミノフェンとNSAIDsの違いを解説させていただきました。

なかなか薬の作用の違いって看護学校では習わないものです。でも患者さんが内服している薬のことは知っておきたいところ。

少しずつ一緒に学びながら日々の看護に生かせるようにしていきたいですね。

参考文献

今回の記事をまとめるにあたって参考にさせていただいた文献をまとめています。

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この記事を書いた人

急性期外科病棟を1年で退職し転職も失敗/派遣ナースを経て現訪問看護師/ 病棟外のナースキャリアについて提唱したい/夢はナース×ブロガー/ 「看護学校受験」「看護学生向けのお役立ち情報」「若手ナースの転職」「訪問看護師の働き方」について情報発信しています。

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